セカンドラブは魔法の味
 
 お祝いが終わる頃に、羽弥斗はようやく来てくれた。

 仕事が押していてやっと駆けつけてきた羽弥斗。


 お祝いに花束を持て来てくれた羽弥斗。

「有難う羽弥斗。お前も、そろそろ結婚考えろよ」

「え? 僕はいいよ。結婚なんて」

「何言っているんだ。いつまでも、新幹線が恋人なんて言ってたら婚期逃すぞ」

「うーん。別に、新幹線は逃げてゆかないからいいや」


 相変わらずの羽弥斗。

 羽弥斗は警察官だったが25歳の時に退職して、父の瑠貴亜の影響で鉄道員になった。

 今では鉄道博物館の職員になり、毎日大好きな新幹線に囲まれていると喜んでいる。

 早杉家に養子に行って、羽弥斗は「結婚はしない」と言ってたが、現在33歳になったが独身のままで「僕は新幹線が恋人」と言っている。

 茜とよく似た顔立ちで優しい羽弥斗は、女性に交換が高いが交際は一切断っているようだ。

 
 とりあえず全員そろってお祝いは終わった。





 帰り道、心優はずっと気になっていた。

 茜が赤ちゃんが来てくれたんじゃないか? と言っていた。

 もう高齢だし妊娠の確率も随分低いし、子供は諦めていた。

 でももし・・・


 考え事をしながら帰ってきた心優。

 涼子はお風呂に入って、疲れたと言ってそのまま寝てしまった。


 心優はお風呂から出て、しばらくソファーに座って感が込んでいた。


「どうしたの? 」

 幸弥がお風呂から出てやって来た。
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