セカンドラブは魔法の味

「いえ・・・」

 どこか思い詰めた顔をしている心優。

 
 幸弥は隣に座った。


「何か心配事があるの? 」

「・・・心配事と言うか・・・その・・・」

「どうしたの? 」

「あの。・・・もし・・・もしもですが。子供が出来たら・・・どう思いますか? 」

「どう思うって、嬉しいに決まているじゃないか。何を言い出すの? 」

「でも、もう私。37歳で、高齢です。涼子ちゃんだって、もう小学生ですから」

「なんで、そんな事言いだすの? 僕が、心優との子供を望んでいないって思っているのか? 」

「そうでは・・・」


 グッと、急に吐き気が襲ってきて、心優はそのまま洗面所へ向かった。


 
 吐き気と一緒に襲ってくる熱っぽさと怠さに、心優はその場に座り込んでしまった。


「心優? 大丈夫? 」

「・・・ごめんなさい。ちょっと・・・疲れたかもしれません・・・」

 幸弥の手を借りて、立ちがる心優。

「心優。もしかして、子供できたの? 」

「い、いいえ。そんな事・・・ないと思います・・・」

「どうして? 」

「だって・・・」


 倒れそうになる心優を支えて、幸弥はそっと抱きしめた。


「何も心配する事ないよ。みんな着いているんだよ、子供ができたって全然構わないじゃないか」

「・・・まだ、そうだとは決まっていませんから。すみません、明後日が結婚式なのに」

「そんな事気にするな。明日病院に行こう。僕も一緒に行くから」

「・・・はい・・・」


 その日は、そのまま寝る事にした心優。

 


 翌日。

 心優は先に検査薬を買ってきて検査してみる事にした。


 
 検査薬を試してみると、くっきりと陽性反応が出ていた。

「嘘・・・」

 嬉しくとも驚く心優。


「心優、どうしたの? 」

 幸弥がやって来た。

「あ・・・あの・・・」


 驚いているような、戸惑っているような顔をしている心優。
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