セカンドラブは魔法の味
「どうしたんだ? 」
「はい・・・すみません。・・・陽性反応が出ていて・・・」
「え? 本当? 」
「はい」
「とりあえず、病院に行こう。大丈夫だから」
「・・・はい・・・」
心優は雪弥と一緒に病院に行く事にした。
駅前のレディースクリニック。
ここは茜もトワもお世話になった産婦人科である。
緊張した面持ちで待っている心優。
「おめでとうございます。妊娠8週目ですよ」
優しい男性医師が言った。
「8週目? 」
「はい、2ヶ月に入りますので、悪阻も酷くなってくると思いますので、気を付けて下さいね」
「あ、あの・・・。私、もう高齢なんですが。・・・赤ちゃん、産めますか? 」
不安な目をしている心優に、医師はそっと微笑んでくれた。
「大丈夫ですよ。確かに高齢出産の年齢には、値していますが。何も心配しなくていいですよ。安心して下さい」
心優はほっとした。
医学的に高齢出産はいろんなリスクがあると言われている。
でも「大丈夫ですよ」と言われたことが嬉しかった。
診察を終えて心優が来ると、待合室で幸弥が待っていた。
「心優、大丈夫? 」
「はい、大丈夫だと言われました」
「え? 」
「あ、赤ちゃん。産めるって言われたの。今、8週目だけど」
「本当? 」
「はい。・・・明後日、結婚式だけど問題ないって」
「良かったね。おめでとう」
おめでとう・・・そう言われると、とても嬉しくて。
あきらめていたけど、来てくれた赤ちゃんがとても愛しくなってきた心優。
さっそく帰ってから、北斗と茜に子供が出来た事を報告した幸弥。
2人とも大喜びしてくれた。
学校から帰ってきた涼子も、心優の妊娠を聞いて大喜び。
高齢だからと心配していた心優だが、みんなが応援してくれる事で不安も吹き飛んだ。