セカンドラブは魔法の味
2
光友総合病院。
タクシーを降りた女性は、運転手にタクシー代を渡した。
「もういいから、帰りなよ。ここまで連れてきてくれた事で、もうチャラにするから。何があったって、誰のせいにもしない。だから帰りなよ」
「しかし・・・」
「おじさん、事故起こしたら仕事できなくなるんだろう? 事故処理だって、面倒じゃん。後は私が自分で転んだ事にするから。もう帰りな」
「本当にいいんですか? 」
「いいって言ってるじゃん。気が変わらないうちに、さっさと行きな」
「すみませんでした。では、これで失礼します」
「おじさん、働きすぎなんじゃない? ちょとくらい休まないと、事故起こしたら全て終わりだよ」
「はい、気づかってくれてありがとうございます」
運転手はタクシーに乗り込んだ。
「あんたも、もう行きなよ」
「僕は残ります。運転手さん、行って下さい」
幸弥がそう言うと、タクシーは去って行った。
「なんで? もういいって、言ってるだろ? 」
「貴女が良くても、僕がよくないんです。ちゃんと診察を受けて、結果が出るまで居ますから」
「うっせぇなぁ。子供じゃねぇから。一人でできるって」
「子供だから、大人だから。そうゆう問題じゃありません。ただのお節介ですから、僕の事はいないものだと思って下さい」
「はぁ? 」
呆れたような目をして、女性は病院の中に入って行った。
歩いている女性は、ちょと足を引きずっている様子。
幸弥は女性の後を着いて行った。