婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~
「今日は友達が来るって言ってたよね? 楽しかった?」
「はい。夕方まで話しこんじゃいました」
「そっか、それは良かった」
貴晴さんの視線が、置きっぱなしになっているさっき開けた引っ越し祝いに気付いたようで、「あ、それは」と先に声が出る。
「友達が、引っ越したお祝いにって持ってきてくれて」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ、何かお返しをしないとね」
フォトフレームを手に取ると、貴晴さんは「センスのいいフォトフレームだね」と微笑む。
日菜子からの贈り物を褒められて、なんだか私まで嬉しくなった。
「じゃあ、ここに入れる写真を用意しないと。近いうちに撮りに行こうか?」
「写真をですか? いいですね」