婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~
「こういうのは性に合わないので、着ぐるみが良かったんですけど、でも、仕方なくというか……」
「そうだね、こういう危うい格好で人前に出るのは感心しないね」
仕事とはいえ、こんな脚や胸元の気になる恰好をして人前に立てるなんて、やっぱり〝軽い女〟と思われてしまう。
「ごめんなさい……」
謝ることしかできないでいると、恐る恐る見た貴晴さんはわずかに眉を下げて弱ったような表情を見せた。
「ダメだよ、こういうのは俺の前だけ。こんなに見せていいのは俺だけだって、これからは約束して」
「貴晴さん……」
腰に回した左手で私を抱き寄せ、右手が短いワンピースの裾に触れる。