婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~
百日目の想い
街が赤やゴールドで飾られる十二月――。
夏の終わりから始まった新しい生活と仕事にも大分慣れ、毎日有意義に過ごしている。
貴晴さんとの関係も大きな進展はしていないものの良好で、心穏やかな日々を送っている。
「紀平さん、参加者リストと席の照らし合わせ、お願いできる?」
「はい、わかりました」
今日は、クリスマスマッチングパーティーのイベントで現場に立つことになっている。
あのハロウィンパーティー後、十一月に一度普通の婚活パーティーの現場に立ち、今日でイベントの現場は三度目となる。
クリスマスの婚活イベントということもあって、会場内はクリスマスカラー一色。
テーブルコーディネートもクリスマスを意識していたり、入口には大きなモミの木のツリーも飾られ、一足早く聖夜の気分だ。
貸し切りになっている会場は、あの横浜のレストラン。
私が初めて貴晴さんと出会った、あの思い出の場所だ。