婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~


 成海さんの年齢はわからないけれど、外見から予想して私の少し上くらいだと思われる。

 だから、若いのにすごいな、と思う。

 仕事に真摯に一生懸命なのだろうと、話していて伝わってくるのだ。


「ところで、今日のパーティーはいかがでしたか?」

「えっ……あ、はい……」

「いい出会いはあったのかな、と。主催者としては気になるところでしょ?」


 突然の質問につい口ごもってしまう。

 成海さんは黙ってブランデーの入るグラスを口元に運んだ。


「あの、私……今日は、友達にどうしてもと、誘われて……」


 自分で婚活パーティーに参加しようなんて勇気、私にはこれっぽっちもない。

 参加したところで会話は弾まず、相手に退屈させて迷惑をかける展開しか想像できないからだ。


「ごめんなさい。私みたいな付き合いで参加している人とか、ちょっとした営業妨害ですよね……」

「いや、そんなことはないよ。そうだったんだ、誘われて……」


 何か考えるように、成海さんはグラスを呷る。

 やはり、私みたいな仕方なく来るような人は微妙と思ったのだろう。

 その様子に、ますます申し訳ない気持ちが膨らむ。

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