婚前溺愛~一夜の過ちから夫婦はじめます~
「じゃあ俺が……大人の女性にしてあげようか?」
「っ……!」
その言葉の意味を改めて想像して、一瞬にして顔が紅潮してしまう。
そんなあからさまな私を笑って、成海さんは笑みを深めた。
「大丈夫……大事に触れるし、優しくする」
上手くできなかったら、応えられなかったらどうしよう。
そんな不安でいっぱいだったけれど、重なり合った唇が思考を溶かしていくようで、何も考えられなくなってしまった。
ふわりと重なった口付けは、やがて深く求めるように唇を割る。
初めて体験する大人なキスに呼吸は乱され、体の熱は更に上がっていった。
戸惑いや恥じらいを抱えていたはずなのに、成海さんはそれをいとも簡単に取り除き、私を忘我の世界へといざなう。
私に触れる彼の全てが甘く艶やかで、自分から出てきているとは思えない声が口から洩れていく。
いつの間にか生まれたての姿になっていた私は、シーツの海に深く甘やかに溺れていった。