Sky (変更可能性アリ)
キキィィィィー!!


「わあっっ!!」

不審な動きをする彼女に気を取られていた俺は、無意識のうちに道路の真ん中へ飛び出してしまっていたらしい。
クラクションを鳴らされるまで後ろに車が居たことに全く気づかなかった。


危ない、これではいくら不死とはいえども大怪我して病気送りになってしまう。
そうなったら大変。俺が死神だって…いや普通のやつじゃないってこと、バレる可能性が出てくるかもしれない…!もっと危機感持たないと。もうすぐ願いを叶えられるかもしれないこの大切な時期に、仕事を失敗したら全てチャラになる。落ち着け冷静になれ、俺。


クラクションを鳴らした運転手に、すみませんと口パクするのと同時にぺこりと頭を下げれば運転手は顔をしかめながらもそのまま走り去っていった。


車が走り去ったのを確認してからパッと顔をあげて彼女を見れば、まっすぐ歩き始めていた。

やっぱり道路の真ん中にいっていたように見えたのは俺の気のせいだったのか。
それとも俺が無意識に飛び出して俺宛に鳴らされたクラクションが自分のことだと思ってもとに戻ったのか。
このどちらかなのかもしれないし、もしかすればどちらでもないのかもしれないけれど。

それでもまぁ、大事(おおごと)にはならなくて良かった。

そんな風に勝手に根拠の無い解釈をしてから暫く念のため彼女の後ろ姿を見ていたが特に変わった様子もなかったので今度こそ行くか、と方向を変えた時、視界の端に大きなトラックが見えた。


ふと彼女がトラックの方向に大きく再びふらつきを見せたのを視界の端が捉え、気がつけば俺はトラックの方に倒れそうになる彼女のもとへ走ってトラックの前に飛び出し、後ろから彼女の体を包み込んでいた。


彼女が振り向きながら驚きの表情をしたのが一瞬見え、キキー!とトラックのクラクションの音が聞こえてトラックの前から避難でき衝突は防げたものの、彼女を庇った衝撃で視界が大きくブレて反対車線の道路に彼女と共に転がった。
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