少女と、宇宙人。
―『この子がポールよ。可愛いでしょ』


数分後、ドアが開き、綾菜が大きな見慣れない生物を抱えて戻って来た。
その生物は綾菜の瞳と同じ、青をしていて、顔面は、お世辞にも可愛いとは言えない程、醜かった。


『ひっ……』


女子アナは真っ青な顔をして、小さな悲鳴を上げた。


『………いつもそうよ。みんな、ポールを一目見るだけで、そう言うの。
ポールが何をしたっていうの?そうやって、見た目だけで判断するの。
そうよね、ポール?』


綾菜がポールの頭を撫でると、口らしきものから、青紫色をしたヌメヌメした物が出てきて、綾菜の頬を舐めた。


『くすぐったいよ、ポール』


綾菜は、楽しそうにポールとじゃれあっていた。
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