高校生マフィア

ファミレスでの騒がしい打ち上げの翌日、卓真から電話がかかってきた

「もしもし」
《あ、慧?卓真だけど》
「分かってる。何だよ?」
《えっと…俺、昨日さ、ボスに言われて何かサイト見たんだけどさ…》
「次のファミリー…か」

もう次の仕事か

《うん。で…慧には言っていいって言われたんだけど…さ》
「それで?どうだったんだよ」
《いや…その、相当ヤバいけど、見れるかなぁ…と思って》
「何だよ。風俗街でも仕切ってるとか」
《そんなんじゃねぇって!!もっと過激。俺リバースした》

ああ、昨日、いきなり立ち上がってトイレに駆け込んだのはそのせいか

「…相当みたいだな」
《ん…風俗系から殺人系まで…》
「…大丈夫かわかんねぇけど、一応見てみる。どうせ陸達にも見せるんだろ」
《多分…》
「だったら、どうせ見るんだから少し早くなっただけだろ。今暇か?」
《えーっと…暇。俺が行こうか?》
「いや。いい」

通話を終えて、ゴトン。とケータイを机に置いた
卓真の沈んだ声
昨日の行動

この前までとは格が違うみたいだな

「…俺、我慢できるかな」

そこまでヤバいなら、吐くのも覚悟しとかねぇと

学校に持っていく黒いスクールバッグにケータイと財布を放り込んで部屋を出た
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