高校生マフィア
**** ****
「大丈夫か?」
「…平気に見えるか?」
「いや…;」

部屋に戻ると、卓真がタオルを差し出した
受け取って口に当てたまま、ゆっくりとパソコンの画面を見た

「~~~~っ」

何回見ても気持ち悪くなる
胃の中には何も無いのに、いくらでも吐き出せそうだ

「これ…俺と慧は見ちゃったけど、雪姫とかに見せられなくねえ?」
「ん…多分無理だな。けど陸には見せておかないと」
「?何で?」
「陸は俺達の中で唯一直接戦うから。相手のレベルを知っておかないと陸が死ぬ」
「………」

陸は…辛そうだな
この画面を見るまでは、この前潰したレッゾファミリーよりも少し強いくらいかと思って作戦を立てていた…
でも、俺は馬鹿だな

「これは…陸を前線に出すのも考えた方がいいな」

この連中じゃ、どんな常識も通用しねぇから
陸が1人で飛び込んだら射殺されるか…もしくはもっと残酷な仕打ちを受けることだって考えられる

「どうする?」
「…とりあえず」

かち。と画面を消した

「あと少ししか時間は無いけど色々と考えてみる。卓真はハッキングは終わったか?」
「まぁ…あと警備が頑丈な部分は時間があるときにやってみるわ」
「頼む」

残りは…4人の動きか
危険なのは陸に限ったことじゃない
高城も藁間も春樹も…

「ナメてたら殺されるな」
「どーすんの?爽樹とか見たら、吐くってかショック死しちゃうよ」
「…しょうがないだろ。できるだけ陸以外には見せたくなかったが、甘く見てたら高城達が殺される」

問題なんだよ…この画面は
こんな見るからに裏社会の写真は…
普通のネットにさらしていいようなもんじゃねぇな

「……はぁ」

もう一度、これを見ると思うと吐き気だした

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