高校生マフィア
「何とかなるよ…きっと」

そんな自信は、どこから出てきたんだってカンジだけど
相手は過激派なマフィアなんだけど
何でか、言葉が出てきた

「何とかする…何とかしてくれる…だから、きっと大丈夫」

ゆっくり、陸の背中に腕を回した

「それに…さ。あたし達の背中には…全校生徒の未来が乗ってるんだから…ここであたしが、それを振り落とすわけにはいかないし…」

何回か広い背中をさすった

「あたしも陸も春樹も雪姫も卓真も慧も…海も皆、夢があるんだから」






「…夢を…未来を信じて、行ってこようよ」


最後で、自分の声が震えてるのに気づいた
でも、言い切った
すると、何秒かして陸の温かい束縛がゆっくりと解けた

「……」
「……」

何秒も見つめ合った

そして、陸から動いた
あたしの頭に、右手をぽん。と置いて
小さな低い声で呟いた

「来週…空手の大会あんだ」
「うん…」

「見に来いよな!!」

振り返った陸は、満面の笑顔だった


「……うん…!!」

そして、前を歩く陸を追い越して、部屋を飛び出して廊下を走り出した




目じりが赤いのは、満面の笑顔であたしに笑う、陸の残像で気がついた
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