高校生マフィア
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たんっ

高く高く跳んで、地面に着地した
バッグを肩にかけて、立ち上がって目の前に建つビルを見上げた

「………」

ここが――
【デラクールファミリー】日本支部

《ガガッ》

耳元の小型マイクに音声が入った

《高城》

慧の声だ

「…何?」
《どうだ?》
「どうって……ケタ違いだって」

レッゾファミリーのときよりも
見た目からして違うし
セキュリティも厳しそうだし
それに、入り口の前にスーツの男の人4人も居るし…

「正面から入るのは、今回は無理だよ?」
《分かってる。卓真が開けておいたファミリー専用の入り口がある。言葉で説明するから動け》
「了解…」

音を立てないように、足を前に出した

《正面の反対の面に回って、ゴミ箱が見えるか?》
「見える…けど」
《それをどかしてみろ。小さいヒビがあるだろ》
「えっと…」

静かに静かに、見た目は普通の青いプラスチックのゴミ箱を横に動かした
慧の言った通り、灰色のコンクリートの壁に、小さくヒビが入っていた

「うん…あった…」
《それは、傷にカモフラージュした扉だ。今から開くから少し下がってろ》

1歩後ろに下がると、向こう側で《ピッ》と機械音がした
そして、小さなクズを落としながら、コンクリートの壁が左右に開いた

「わぁ…」
《開いたか?》
「開いた…何か映画みたい…」
《本物だぞ。油断すんなよ》
「うん…」

1度、肩にかけたバッグの取っ手を握って前に踏み出した
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