高校生マフィア
できるだけ気配を消して、耳に全神経を集中させて、小さな物音も聞き逃さないように慎重(しんちょう)に廊下を進んだ
耳元から慧の声がする

《卓真が、できる限りの部屋の監視カメラにハッキングした。高城には監視カメラの付いていない部屋に入ってもらう》
「そんな部屋あんの…?」
《4つ。もしハッキングされても秘密が守れるように。だろうな》
「了解…」
《俺も指示を出すが電波を遮断(しゃだん)する部屋もあるから、そこは高城に任せる。カメラと盗聴器は電波を遮断する部屋でも使える高性能な物だから、そこは気にするな》
「…うん」

コツ

コツ

「ッ!!」

足音が1つした
慌ててマイクの電源を切って近くにあった部屋のドアを開けた

パタ…ン

「………」

ドアに耳を当てて、足音が通り過ぎるのを確認した

「…危なかった…」

胸を撫(な)で下ろして、マイクの電源を入れた

「慧?どのこ部屋に行けばいいの?」
《ザー――……ガガッ》
「げぇ…っ;」

いきなり!?
電波が届かなくなったらしくて、慧の声が聞こえなくなった

「じゃあ…」

さっさと仕掛けて、部屋を出なきゃ
バッグを床に置いて、盗聴器とカメラを取り出した
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