高校生マフィア
「なーなー。コレってマジもん?」
「何が?」

最後の1本を片付け終わると、背後から卓真の声がした
振り返ると、卓真が俺が使っていた刀を拾って眺めていた

「あ、本物。マジでケガするから気をつけてなー」
「ぅっわ、こっわ!!」

そりゃ、竹光とかいつもは偽物だけど、畳表斬るのは真剣じゃねえとな

「すっげぇー。俺、本物見んの初めてだー」
「わ、ばっか。危ねぇっつったろ」
「ぅお、てか、コレいくらすんの?」
「あー…何か、どっかの偉い人の前で殺陣やったら貰っちゃった」
「はァ!?何その偉い人!!」
「あーもーいーよ。今日終り」

袴の紐を解いた

「どっかファミレス寄ろーぜー」
「おー。じゃ外で待ってんなー」
「ん。慧とか誘う?」
「あー…多分塾…」
「あ、慧、塾とか何もやってないぜ」

そう言うと、卓真の目が飛び出さんばかりに見開かれた

「嘘ォ!?何アイツ!天才!?」
「天才。ずりぃよな。春樹も誘おうぜー」
「マジかよ…天才君じゃん。天才慧君じゃん…」

俺の言葉も聞かず、ショックを受けながらヨロヨロと道場を出て行った

「ウケる」

じゃ、さっさと着替えますか!!


飯野 陸-イイノ リク-
2年C組
天才暗殺者
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