高校生マフィア
涙が出そうな興奮も静まって、堂々とした態度で人通りの多い廊下を歩き出した
私と春樹の仕事は、ファミリーになりすまして偽の情報を流すこと
その情報は、「mattinaが戦闘部隊を率(ひき)いて予定地とは違う場所で攻撃を開始する」とい情報
敵に顔をさらして堂々と振舞うのは大変だけど、爽樹ができない分、私達がやるしかない

「!!」

目の前に、金髪のオールバックの黒い背中を見つけた

「部隊長!!」

私の声に振り返ったのは、デラクールファミリー全ての戦闘を指示する部隊長
ルーマス・デラクール
デラクールファミリーボスの息子。時期ボス予定者

駆け寄って声を張り上げた

「どうした?」
「大変です!mattinaが我々の情報を掴んだらしく、別の場所で行動を開始したようです」

ぴく。と眉の動きを見逃さなかった
ルーマス・デラクールは廊下中に響き渡る声を張り上げた

「何だと?それは確かか!?」
「はい。偵察部隊の報告なので、間違い無い報告かと…」
「そうか…それにしても、お前、見かけない顔だな」
「ぁ…先日こちらに到着しました。アサヒと申します」

ルーマス・デラクールは私の返答を聞いているのか分からないが、無線のスイッチを入れた

「ルーマスだ!!敵に情報が漏れた疑いがある!待機部隊を俺の指示通り動かした後、ボスに報告しろ!!」

やった…
戦闘部隊の隊長に情報を流せば、武器を持つ者はこの場所から減る

「ルーマス部隊長。場所は――」
「ぁあ。結構」
「?」

スッ

大きな右手が、私の目の前で素早く振られた






ガッ

後ろから、凄い力に口と腕を押さえられた

「ッ!?」
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