高校生マフィア
「…ゆ、き…ひ…め……」

声がうまく出ない
動こうとすると、体がギシギシ悲鳴を上げた

「ん?…起きたか。小僧」

俺を担いでいる黒人が、俺の意識が戻ったのに気づいた
白人が、フン。と鼻で笑った

「いいだろ。あれだけボコボコにされてたら動けないだろ」
「それもそうだな」

雪姫

そこに居るのに、手が届かない
腕が上がらない
足も上がらない
体中が痛い

サラサラと黒くて真っ直ぐな雪姫の美髪が流れた


「……っきひめ…!!」

乾いた唇を噛んだ
血の味がした

何考えてんだ

殺されなかったらいいんじゃねぇよ
帰んだ。2人で





グッとデカい男の腹の方に垂れていた右足を上げた

「?この小僧、まだ動けんのか」

背中に垂れる上半身。腕を伸ばして、男のケツポケットの中をチラッと確認した

雪姫…!!

ガチャッ

ケツポケットの中に押し込められた銃を握るのと同時に、上げた右足を一気に男の腹に叩き込んだ

「う゛…ッ!!!!」
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