高校生マフィア
「………」

ざあざあと雨が降っていた

「………爽樹」

右手を見た
血は、もう止まっていた
爽樹の肩を叩いたとき、はっとした

爽樹、バド部でインハイとか行ったり
たまには俺や海と一緒に道場で稽古(けいこ)したりして結構強かった
でも

爽樹の
女子の
幼馴染の肩は
小さくて薄くて、弱かった


「………」

ぐっと手を握って、フードをかぶりな直した

「…死ぬかよ」

背中に担いだ刀の鞘(さや)を、1回グッと握った




ばしゃ。と大きな飛沫(しぶき)を立てて

土砂降りの中に駆け出した
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