高校生マフィア
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ザッ

ザッ

ザッ

泥と砂で汚れたスニーカーで、裏口からデカいアジトに入り込んだ
驚くくらい自分の足音が大きく響いた

「……変だな」

あんだけ春樹と雪姫が騒ぎになったのに
俺のことはノーマークかよ?
いや、そんなこと無ぇよな
俺は、あの6人の中で唯一の戦闘員だ
何も無ぇことは…有り得ねぇよな…

《ザザッ》
「!!」

《陸》

耳元から慧の声が聞こえた
もう、落ち着きを取り戻した声だった

《聞こえるか?》
「ん?大丈夫だぜ」
《敵は居るか?》
「いや…全然。普通に歩いてるけど誰にも会わねぇよ」
《そうか…どこかに集結している可能性が高いな》
「分かんのか?どこに居るか」
《ああ…卓真がハッキング成功させたおかげで指令や行動を操作することができたんだが…》
「「だが」?」
《春樹と藁間の影響が大きかったらしく、もうコンピュータ操作が卓真のハッキングじゃできなくなってる》
「え!?」

この、2時間ちょいでか?
どんだけ力あんだよ…

《卓真が、またハッキングしてる。いつ入り込めるかは分からない…》
「そっか……」

じゃ、ここは俺の勘(かん)と反射神経にかかってるってわけだな
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