高校生マフィア
「ふざけんなァッ!!!!」

広い部屋に響くデカい声が出た
部隊長の銃を握る手を右足で蹴り飛ばして、向き合った

自分の中で、何かが切れた
こんな人数相手に戦うのは
左腕の傷を持って戦うのは

ムリなのは分かってんのに


「…少年。君はやはり利用価値がある」

部隊長は余裕の表情のままだった

「だが、現実を見ろ」

パチン。と指を鳴らすと


「ォォオオオォォォッ!!!!」

背後から50人の戦闘要員(よういん)が俺に向かって走ってきた


「………」

少しだけ、目を閉じた

そして、鞘に固く結んだ朱色の紐をくわえて、シュッと解いた

カチ……

静かな、刀の抜ける音


ガチャ…ン

右手で握って、左手を添(そ)える


「―――…」


「ァァァァアアア!!」

刀を握って、駆け出した




来週――
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