高校生マフィア
「ってぅわッ!!」

のん気な声で返事をして振り返ると
何か、ホストみたいなカッコしたカッコイイお兄さんが立っていた

「あの…?」

声が見た目よりも全然優しそうだった
悪い人じゃない。多分。きっと多分

「あ、ぁあ…すいません…」
「…一ノ瀬 卓真君?」
「あ、はい。一ノ瀬です」

つーか何でこの人は俺の名前を知ってんだ

「あの、何か用スか?」
「君、ハッキング得意なんだってね」

にこ。とお兄さんが笑った

「いや、別に特技じゃないですよ。ハッキングなんて全然」
「…昨日、ブランドのメインコンピュータに入ったのは君かな?」
「………」

おいおい…お兄さん、何で知ってんの

「…はい…すいません…俺です…」

やばい。このお兄さんホストみたいだけど実は警察!?
やばいよ俺。相当困った状態だよ俺

「そっか。じゃあ…」

あー終わった
17にして俺は犯罪者か…
何かもう困り果てて目をつぶった

「…俺に協力してくれない?」


「………は?」

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