高校生マフィア
「…って、ぅわあッ!?」

がばっと起き上がった
布団を跳ね除けて。ベッドから飛び上がって

「りりり陸ッ!?」
「…何だよ…そんなビビんなくても…」

陸が一瞬、あたしの反応にビックリした
そして、床に落ちた青い掛け布団をあたしが隅に縮こまったベッドの上に置いた

「………」

陸がベッドに丁寧に布団をしいている間、あたしは膝を抱えて陸の頭を見下ろしていた

な…何で!?
何で起きたら陸の部屋に居んの!?
しかも寝てるし!!
あたし、17年間お隣だったけど、こんなこと無かったのに!!

あたしが内心バクバクで陸を見ていると、陸が顔を上げて首をかしげた

「ん?何だよ?」
「い、いや……」
「何をそんなにビビってんだよ?」
「ビビってな……い…」

嘘。完全に確実にビビってます
そりゃあ、いくら幼馴染でも男の子の部屋の(しかも好きな人の)ベッドに寝てて顔覗き込まれたらビビるでしょ!!
何で陸が平然としていられるか不思議だもん!
もしかして陸、天然!?

こんこん

ノックの音と、ドアの向こう側から陸のお母さんの声が聞こえた

「陸ー。ご飯ー」
「あ、ぅあーい」

陸がベッドに手を突いて立ち上がった
がちゃ。とドアを開けると、エプロンをしたままのおばちゃんが居た

「あらー!爽樹ちゃん起きたのねー!」
「あ、そーだ。母さん、爽樹も一緒に食っちゃダメ?」
「え、い、いいよ!!お隣だし帰るよっ!!」

立ち上がろうとすると、おばちゃんが笑顔で引きとめた

「いいわよー!今日は多めに作ったから!!」
「…じゃあ、お言葉に甘えます…」

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