高校生マフィア
1階に行くと、テーブルの上にはルーの入ったお鍋が置いてあった
そりゃもう。キャンプのご飯の量くらい

「うわぁ…美味しそう…」

あたし、おばちゃんのハヤシライス大好きなんだよね
椅子に座って新聞を読んでいたおじちゃんが顔を上げた

「よう!爽樹じゃねーか!!」
「あ、こんにちはー」
「食ってくのか?」
「ご馳走になります!」
「しっかり食えよー」
「はーい」

この人が、陸に武道を始めさせた武道マニアのお父さん
本人も昔はすっごい強い柔道の選手だったみたい
陸が椅子を引きながらおばちゃんに聞いた

「何でこんな大盛りなんだよ?」
「覚えてないのー?今日は海(カイ)の試合の日でしょー」
「あ、そっか」

海は、陸の弟の中学2年生
陸と同じく武道が強くて、今日は学校の部活とは別の空手の試合みたい

「さー食べよう!!」

おばちゃんが、皆の分のスプーンを用意した
陸が大声で1階の海の部屋に叫んだ

「海ーーーー!!メシーーーー!!!!」

すると、陸に負けない大声で返事が返ってきた

「あッ、兄貴ー!俺のコロッケ食うなよーーーー!!!!」
< 39 / 170 >

この作品をシェア

pagetop