高校生マフィア
「あ!ボケの肉貰いっ!!」

海が爽樹の皿から焼き鳥を取り上げた

「あ、こらぁっ!!ボケはやめて欲しい!!」
「いーじゃん別にー」
「あーコラコラ!!俺のやるから!!」
「…兄貴が優しいんスけど…」
「何言ってんだー。俺はいつでも優しいだろー」

ははっ。と笑った
俺、家族の食卓ってマジで好き
すっげぇ楽しいから、道場でどんなに体痛めても吹っ飛んじまう

「そうだよー。海、知ってたー?陸めっちゃ優しいんだよー」
「爽樹分かってねぇなー」
「かーい。俺はいつでも…優しいよな?」
「…ほらー。兄貴実は腹黒なんだぜー?」


……俺達しか…

1時間前、黒い車から引きずり出された眠った爽樹の顔を思い出した
そして、今俺の部屋にある謎の名刀【鶴舞】
そして――平気で人1人撃ち殺した…あの銃

俺達しか…


俺の目の前で騒ぐ海と爽樹、それを眺める父さんと母さんを遠く感じた


「…あ、何ー?何か陸が遠く見てるー!!」


俺が、ヘタレてたら、また爽樹は狙われるのか?
そして、来年の全中で全国優勝を狙ってる海も?

「ん?遠くなんか見てねえよー?」



俺達しか……

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