高校生マフィア

藁間 雪姫-ワラマ ユキヒメ-

「ぅあー疲れたー」
「………」

4時限が終わると、どこからか春樹が戻ってきた
私は無言で席から立ち上がると、無言で涼しそうに下敷きで顔をあおぐ春樹の前に立った

「春樹」
「んー?」

春樹は、下敷きを机に置いて私に向き直った
すると、ヘラッと笑った

「おー。姫ー。今日もカワイーじゃん」

次の瞬間、私は反射的に春樹のたるんだネクタイを握り締めていた
困惑した表情の春樹の顔を自分の顔に近づけて、春樹にしか聞こえない低く小さな声で囁いた

「てめえ、姫って呼ぶなっつッたろ…」
「す、すんません……」
「………」

もう1回睨んで、パッとネクタイから手を離した
春樹は数秒してから、またヘラッと笑った

「何でだよー。いーじゃん姫で」
「殺すぞ」

今度は、皆の死角になる所で、春樹のスネを蹴っ飛ばした
春樹はすぐに涙目になって椅子から飛び上がった

「イッて…ッ!!!!…雪姫ぇ!!何しやがんだよっ!!」

春樹が涙目で私を睨んだ

ちょっと、そんな大声出したらクラスの皆に注目されるだろ


「ご…ごめんね…っ…」

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