高校生マフィア
「…はあ」

雪姫が溜息をついた

「え、何っ」
「爽樹、それは先生の机を開けて取って来たの?」
「違う違う!すれ違った時に取れそうだから取ったの!」
「………」

雪姫の肩が落ちた気がした

「それは、「取った」じゃなくて「盗った」って言うんだよ」
「……イマイチ言葉じゃ分かんないんですけど」

読者の皆さんには分かるかもしれないけどね
あたしは言葉なんで分かんないんです

「だから…爽樹のそれは、「盗難」って言うんだよ」
「盗難じゃないよ!!返してもらったの!!」
「もっと言うと「スリ」だよ」
「えーーーー!!!!」

スリー!?
スリじゃないよ!!


……ん…??

「スリ…かな…??」
「確実に。爽樹、才能あるんじゃないの」
「その才能、いらなくない?」

あたしが笑って、雪姫が溜息をつくと、ケータイが鳴った
パチンと開くと卓真(タクマ)からメールだった

「…んぉ!!雪姫、何か卓真が校庭来いって!!」
「はァ?」

面倒くさがりな雪姫が眉をしかめた
あたしは残りのパンを口に詰め込んで雪姫を引っ張った

「ほーら!行こ!雪姫!おもしろそーじゃん!!」
「何で私も……」


高城 爽樹-タカギ サキ-
2年C組
天才密偵・怪盗

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