高校生マフィア

卓真

爽樹が余裕で敵の会議室にカメラと盗聴器を仕掛けて2日後
今日は水曜日
パソコンの中の画面では、強そうなおっちゃん達が強そうなスーツ着て強そうに喋っていた
俺って英語は得意だから、この人達がどんだけバカなことしちゃってるかが分かる

「うっわー……」

《あと1日だな…》
《ああ。これで裏社会最強と謳われたファミリーは幕を閉じるってわけだ》
《銃と弾の準備は?》
《万全だ。俺達を含めて30人。流石のボスも対応しきれないだろ》

「バカだなー…おっちゃん達」

今まさに潰そうとしてるファミリーのメンバーに作戦会議全部聞かれちゃってんだから
しかも俺達、まだ高校生よ?
強そうだけどバカだなー。女子高生1人にアジトに侵入されて気付いてないって…

《ガガッ》

「!!」

右耳に付けたボスに貰った小型マイクに音が入った
手を当てて、声を待った

《えーっと…陸だけど…》
「あー。陸?」

そうだ。陸と繋いでるんだった
背中を反らして後ろの椅子に座ってる慧に呼びかけた

「慧ー。陸からー」
「聞こえてる」

慧が資料を眺めながら顔を上げずに言った
そして、マイクに話しかけた
陸の反応が俺のマイクからも聞こえてくる

「陸。今どこに居る?」
《えっと…一応、慧に言われた場所に居るぜ?》
「そうか」
《つーか、ここ大丈夫かよ?;》

そう。俺がハッキングした内容にあった、幹部の部下達の来る場所に陸には待機してもらってる
その場所は――


《マフィアが歌舞伎町のキャバクラ行くとかありえなくねえ!?》
< 92 / 170 >

この作品をシェア

pagetop