高校生マフィア
上級マフィア
「早いねー。やっぱり」

天才戦略家から連絡があった
後始末の部隊を送った後、執務室の椅子にもたれた

やっぱり、高校生といえど天才は違うね
この道のそこら辺のマフィアよりも、よっぽど有能でよっぽど飲み込みが早い
若さのせいかな

「……若さって素晴らしいよねぇ」

若い分、飲み込みも早いし、適応能力だって高い
でも――

若い分、大切な存在が居すぎる

大切な存在が増えれば増えるほど、マフィアは弱くなる
大切な存在が1つ増えれば、死に1歩近づく

「辛すぎるかなぁ…?」

例えば、プロにも匹敵する才能を持った生まれながらにしての暗殺者の彼
彼には大切な存在が多すぎる
友達

兄弟
好きな人―

戦闘能力で勝っていても、大切な存在の多い殺し屋は次々に命を落としていった

背もたれから起き上がって、両手を組んだ
誰も居ない、暗い部屋に背後から月光が指す執務室の中で1人

「願わくば――」



「―皆が無事に帰れますように」

マフィアのボスという俺に似合わず
神に、願った
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