死者の音〜最期のメッセージ〜

藍と大河は自己紹介をし、頭を下げる。リビングにはこのシェアハウスで暮らしている全員が集まっていた。四人の男女だ。

男女たちも顔を見合わせ、名前と職業を名乗る。

「三田楓（みたかえで）です。パン屋で働いています」

明るい茶髪の女性が言った。

「宇野明日香（うのあすか）です。保育士をしています」

顔にそばかすのある気弱そうな女性が言った。

「山下翠です。イラストレーターをしています」

玄関に出てきた無愛想な男性が言った。

「木村仁（きむらじん）です。ペットショップで働いています」

メガネをかけた人のよさそうな男性が言った。

藍と大河は椅子を勧められ、ゆっくり座る。藍が口を開いた。

「匠さんのことについてですが、彼がてんかんを持っていることはご存知でしたか？」

全員が頷く。次に大河が質問した。

「匠さんが亡くなった時、みなさんは何をしていたんですか？」

「テレビを見ていました」

宇野明日香が答える。

「私たち四人は、「LOVE MUSIC」という番組をずっと見ていました。匠くんはその番組を見ると私たちが言ったら、「先に風呂に入って寝る」と言ったんです」