死者の音〜最期のメッセージ〜
「……何で如月刑事がいるんですか?」
「それはこっちの台詞だ……」
大河と如月大輔(きさらぎだいすけ)刑事が睨み合う。聖と朝子が目を輝かせ、正人はお財布の中身が飛んでしまうことに顔を真っ青にした。藍は如月刑事がいたことに驚くが、気にせず「こんばんは」と挨拶をする。
正人が案内したのは、いかにも老舗と言いたげな雰囲気のお店だ。もちろん回転寿司ではない。
「正人さん、何でこんなお店に来られたんですか?」
「そうよ〜。いつも地味な格好なのに〜」
朝子と大河が失礼な発言をしながら扉を開ける。その扉の先に、藍の元恋人である如月刑事とその部下の原光矢(はらこうや)刑事がお寿司を食べていたのだ。
そして、今に至る。
「まあ、いつも解剖を依頼していただいていますし、一緒にどうですか?」
聖がそう言い、朝子は「藍!ここに座りなよ〜」と如月刑事の隣に藍を座らせる。如月刑事は驚くが、すぐに嬉しそうな顔になる。