不良様の愛は甘い
そもそも、初対面なんだから当たり前なんだけど。
「何だよ。食べずれぇ」
「お気になさらず………」
微笑みもしないやつだと思ったから、物珍しさで見てるだけ。
「そんな、見てっと」
グイッと顔が近づいては私の頬に触れる恋二の手。
「キスすんぞ」
なっ!!!!
顔を反らしてクレープにかぶりつく。
キスなんかされてたまるか!!
「てか、何で私なわけ!?他にいるでしょ?彼女やってくれる人!!」
「いるけどな。でも今、お前といて改めて分かった」
「何が!?」
スッと伸びて来た恋二の指が私の口元に触れる。
「由莉は面白えし可愛い」
指についた生クリームを舐めて言う。