ココロの好きが溢れたら
第1章
好きな人は婚約者
運命ってあると思う?
運命から始まる恋って素敵でしょ?
女の子なら、みんなそんな夢物語に憧れるもんね。
だからね、私はあると思うの。
そんな運命で結ばれた恋が……。
「んー、今日もカッコいいなぁ」
私は目の前に運ばれてきたハンバーグステーキセットにも気付かずに、今朝母から携帯に送られてきた一枚の写真を眺めていた。
カッコいいなぁ。
ほんと、カッコいいなぁ。
きっと周りから見たあたしの顔は、デレデレとした不気味な顔をしているに違いない。
「また見てんのー?例の男の写真」
「例の男って言わないでっ」
「はいはい、大事な婚約者様ね」
向かい側に座っている真緒は、小学生の頃からの親友だ。
あたしがこうしてある人の写真を見るのは、もう日課というか。
1日の決まりごとになっているというか。
だから小さい時からその様子を隣で見ていた真緒は、そんな私を見るのはもう慣れっこ。
写真をまじまじと見る私を横目に、カットステーキをモリモリと食べている。
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