ココロの好きが溢れたら
「沙織が?…そっか。悪かったな、助かった」
「あ…うん」
どうしたんだろう。
沙織さん?の顔が強張っている気がするのは気のせいだろうか。
「あー!陽毬ちゃん!?」
沙織さんに声をかけようとした時、またもや声を遮られた。
その声の主は私に近寄るや否や、私の右手を取って握手をしてくる。
「陽毬ちゃんだよね?俺、俊太!よろしくね!」
え、誰!?
なんで私の名前知ってるの?
しかも近いっ!
「おい俊太。陽毬が嫌がってんだろ」
ベリッと私と彼を剥がしたハルが、背中に私を隠してくれて助かった。
び、びっくりした…。
急に来たから…。