ココロの好きが溢れたら


「どっか寄っていくか?」


「え?」


食事を終えて店の外に出た時、ハルがさらりとそんなことを言った。


「まだ14時だし。夕飯の買い物に行くついでに」


ハルの提案はとても嬉しい。

2人で買い物なんて、同居を始めた頃以来だ。

もちろん私は行きたい。すごく。

でも…。


「いいの?ハル、疲れてない?」


ハルは練習が終わったばかり。

疲れてないかな。

せっかく午前中で練習が終わったのだから、早く休みたいんじゃ…。


「全然。ほら、行くぞ」

「あ、待ってっ」


スタスタと先を行ってしまうハルを追いかけた。

さっきまで少し落ち込んでいた気持ちが、一瞬のうちに浮上する。


ハルの一言で上下する私の心は単純なのか、面倒なのか。


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