ココロの好きが溢れたら
「この間買ったんだよ。陽毬が欲しそうに見てたから」
服の下に隠していたネックレスを外し、テーブルに置く。
「うわ、陽毬ちゃんの名前まで刻印されてんじゃん。なんだよ、ラブラブじゃん!」
ラブラブって…。
そんなんじゃない。
でも、陽毬が欲しがっていたからという理由で買ってしまうくらいには、俺はきっと陽毬に心を許してるんだと思う。
少し前までの俺なら、ペアネックレスを着けることもありえなかった。
最近は陽毬のあの笑顔を見て、気づくと俺までつられて笑っている時がある。
陽毬が笑っているのを見ると、安心を感じることさえあった。
「上手く行ってんじゃん!じゃあ俺も言っちゃおうかなっ」
言う?
何をだ?
「俺、なんと彼女ができましたー!」
……はぁ!?
「おい、聞いてねぇぞっ!」
「今はじめて言ったし」
彼女!?
いつの間に作ったんだよ!?