ココロの好きが溢れたら
そんな話をしていると料理が運ばれてきた。腹が減っていたためか、俺も俊太もあっという間に食い切ってしまった。
俊太が今から彼女と約束をしているというので、すぐに店を出た。
男同士の飯なんてこんなもんだ。女子はやたらと話し込んで長いけどな。
店を出て少し歩いたところで「ハル?」と声を掛けられた。
俺のことを「ハル」と呼ぶのは1人しかいない。
声がした方を見ると、やはりそこには花柄のフリルのワンピースを着た陽毬がいた。
相変わらずふわふわとした華奢な印象を持つ陽毬は、周りの男の目線には気づいていない。
……ひとりで歩くの禁止にするか?
本人に自覚がないのが怖い。簡単に連れ去られそうだ。