ココロの好きが溢れたら
「ただいま〜っ」
家に着いて買った物を冷蔵庫に詰め終わった陽毬は、今度は朝に干した洗濯物を取り込んだりと忙しなく動いている。
俺もなんかやるか。
「陽毬、俺もやる。何かやることねぇの?」
「え、いいよ!ハルはゆっくり…」
「な・に・を、やればいいんだ?」
陽毬の声を遮って「やらなくていいなんて言うなよ?」とばかりに、にっこりと笑って圧力をかける。
どうやらちゃんと伝わったようで、陽毬は渋々風呂場の掃除をお願いしてきた。
俺が言わなかったら、風呂場も自分でやるつもりだったな。
陽毬は家政婦ではないのだから、少しくらい俺に任せて欲しい。