ココロの好きが溢れたら


「だ、だって、真緒…キスって…!」

「あたしだってまだ混乱してるの。いつものあたしだったらキスされた瞬間絶対ビンタしてるのに」


なのに、抵抗もしなかったんだ…。


「晋太郎の顔が近づいてきて、キスされそうだなって頭では分かってた。避けることも出来たはずなのに、あたしはそれをしなかった。だから混乱してるの…拒否しなかった自分に」


そっか。

真緒は今、一所懸命自分と向き合おうとしてるんだね。

拒否しなかった理由が、長岡くんに惹かれはじめているからなのか。

それとも、その場の雰囲気で受け入れてしまっただけなのか。

どちらにしても、恋が始まる予感がする。

惹かれ始めているなら、その気持ちを育てて欲しいし。

雰囲気にだって流されていいでしょ?恋なんて何がきっかけで始まるか分からないんだし。



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