ココロの好きが溢れたら


「なんであたし、拒否しなかったのかなー…」


そうだね。

真緒と長岡くんの想いが重なる日はきっと近いのかな。


「しかもその後、晋太郎2回もキスしてくるし」


…へ?


「その2回も拒否…というか嫌じゃなかったし」


あの、真緒さん?


「ま、真緒…?」

「次の日も観光してる時に親の目を盗んでキスしてくるし…」


えーと。

それはもう、嫌じゃなかったとかいう話じゃないと思うんだけど…?


「はぁ…これからどうしようかな」


いや、もう付き合ってしまえ。


と言いたいところだけど。

きっとまた私の知らないところで進展すると思うし。

ここまで来たら長岡くんだって、真緒のこと逃がさないでしょ。


まだほんのりと頬を染めたままうーんと頭を悩ませる親友を見ながら、「頑張れ」と心の中で呟いた。



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