ココロの好きが溢れたら
体育祭
私の最近の悩みは2つ。
ひとつ目は…。
「好き…ハルが、好き…」
舞子さんとお話したあの日から、ハルにちゃんと言葉で好きだと言いたいのになかなか言えないこと。
おかしい。
練習ではいくらでも言えるのに。
以前なら言えていたことが言えなくなっている。
ハルを目の前にすると、言葉に詰まって出てこなくなってしまうんだ。
初めて会った頃よりも、言葉にするのも戸惑うほどハルのことが好きになってしまったとか?
なんてポジティブに考えてみたけれど、そうだとしても器用ではない私がハルに好きだって伝えられる手段は言葉にすることしかないのに。
どうしよう。
ハルに好きだって伝えられなかったら、私はこのまま友達以上恋人未満だよっ…!
そしてもうひとつの悩みが…。
「陽毬、何百面相してんだ?」
「あ、ハル……ひゃあ!?」
お風呂上がりで肩にタオルをかけたハルが、私の頭をくしゃくしゃっと撫でた。
ハルは何もなかったように冷蔵庫からお決まりのサイダーを取り出して飲んでいる。
これが2つ目の悩み。
ハルが最近、こうして私に触れてくるようになったこと。
嬉しいよ。
嬉しいんだけどね…!?
ちょっと戸惑ってしまうというか。
どうしたのハル!?…って聞きたいというか。