ココロの好きが溢れたら

体育祭は学校の校庭で行われるらしく、既に多くの人で賑わっていた。

家族はもちろん、一般の人も出入り自由だというから、他校の生徒も多くいる。

スポーツに力を入れている学校なだけあって、校庭の広さも凄い。陸上競技場くらいの広さは余裕である。

生徒はまだ校内にいるらしく姿が見えないので、舞子さんと場所取りをしてしまおうということになった。

トラックに近い場所はもう場所取りされていて無理そうだな、なんて思っていたら


「すみません、そこの場所少しだけ空けていただけますか?」


なんと舞子さんが先に座っていた他校の男子高校生に声をかけて、場所を少しだけ空けてもらっていた。

声をかけられた男子高校生達は、顔を赤らめて「どうぞどうぞ」と詰めてくれて。


「ありがとう。陽毬ちゃん、座りましょ?」

「あ、はい」


わー、すごい。

美人が相手だとこんなにもあっさりと譲ってくれるんだね。

というか、舞子さん…言えば空けてもらえるって確信してるみたいに普通に話しかけに行ったけど…。

それ無意識ですか?それともわざと…?


…………怖いから考えないようにしよう。


「陽毬ちゃん日焼け止め塗ってきた?」

「はいっ、全身くまなく塗ってきましたよ〜」


もう7月で日差しが強いしね。
今日の気温は24度って天気予報で言ってたなぁ。

熱中症にならないようにしないと。


「陽毬ちゃんって肌白くて羨ましい。私なんて焼けやすくて」

「いやいや、舞子さん肌めちゃくちゃ綺麗ですから!私の方こそ羨ましいです!」


シミもニキビもひとつもないじゃないですか!
後で手入れはどうしてるのか聞いてみようかな。





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