ココロの好きが溢れたら
「あ!陽毬ちゃん!きゃーっ!また一段と可愛くなってー!」
「お、お久しぶりですっ…」
美智子さんは相変わらずとても美人だった。
可愛いと言ってぎゅーっと私を抱きしめてくれるのは嬉しいけれど、ちょっと苦しいです…。
「美智子さんやっと来たー!…あれ?大輔さんとハルくんは?」
「今荷物下ろしてるところよ。もう直ぐ来るわ」
本当にハルに会えるんだ。
すぐそこにハルがいるんだ。
胸のドキドキがまた高まっていくのが分かって、キュッと胸の辺りで手を握る。
「美智子ー、手伝ってくれー」
「はーいっ、今行くー」
玄関先から大輔さんの声が聞こえて、美智子さんは小走りで駆けて行った。
そして
「やっと全員揃ったわね」
美智子さんと大輔さんの後に続いて入ってきた人から私は目が逸らせなかった。
私がずっと会いたくて仕方なかった人。
気怠げに肩に鞄を担ぎ、家の中を確認するように見渡しながら入ってきた彼。
「ハル……」
小さく呟いた私の声は届いていないはずなのに、呟いた瞬間彼が私に視線を向けた。