"死なないで"なんて、言わないで。
「そう。じゃぁ病院に連れ戻してくれる?」
「それは出来ません」
流石のジョンにでも恐ろしさを感じるほど、2人の圧を感じる。
ジョンの答えに不満を持ったようで、口をへの字にしている。
「あなたは何を言っているのかわかってる?あの子は桜樹財閥の跡継ぎなの。ここで死なせる訳には行かないわ。」
「そうだ。俺達はあの子のためにしているんだ。それはわかるだろ」
「はい。でもこれは間違っています。茅菜は何一つわかっていませんでした。おじさんとおばさんがどういう思いでしているのか」
「……それは薄々気づいていたよ。俺達の仕方がまずかったとは。」
「でも仕方ないでしょ?そうするしかないの。もうあの時みたいな後悔はしたくない」