"死なないで"なんて、言わないで。
その日から茅菜は医師と一緒にスケート場に通った。
夏休みに入り、暑さが厳しくなっていくに比例して、体の調子も悪くなっていく。
目眩が増え、服用する薬も増えてきた。
「茅菜……大丈夫?」
「うん!なんとかね」
「無理しないでね」
「分かってるよ。それより1回通してみない?もうすぐ大会だし」
「いいね!どっちが点数取れるか勝負しよ!」
叶逢の滑りは一段と良くなっている。