"死なないで"なんて、言わないで。
「はーい」
茅菜がリンクに立った時、みんなの目線は茅菜に集まった。
「茅菜ちゃんってどんな振り付けなんだろう?」
「わかんない。いつも振りの練習してないよね」
「私たちが帰ってからしてるんじゃ?」
「かもね」
スケート場は静まり返った時、曲はスタートした。
病気のことを忘れさせるような綺麗な滑りだった。
ジャンプも前と変わらないはずなのに、すごく変わって見える。
「やっぱり茅菜には勝てないよ。」
「練習量が違うからな」
「そうなんですか!」