"死なないで"なんて、言わないで。
「ありがとうございましたー」










インタビューを終えた直後に試合の開始を告げる放送が入った。





昨日に比べて一層、選手の表情は固くなりピリつく空気が漂った。








イヤホンから流れる音楽を聞きながら、茅菜は病気のことを考えた。








もし、この大会が終わって治療を始めても助かる確率は100%では無い。








上手くいったって合併症も有り得るし……。










それに、せっかくお母様とお父様も話せるようになったのに。







死ぬなんてもったいない、そう思うようになってきた。





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