"死なないで"なんて、言わないで。
急に喋るのをやめた。
茅菜の目は何故か悲しそうに見る。
不思議に思った彼は。
「ん?どうした」
「いや、なんでもない。あなた、名前は?」
「オレは桐谷 高貴(キリタニ コウキ)」
桐谷?
あー、桐谷ホテルの息子か。
全国に力を広げているホテル一家。
子供が生まれる事に1つホテルをたてるという独特な決まりがあることで有名な会社だ。
「そう。聞いたことないけど」
「おい、嫌味みたいに言うなよ」
「嫌味だもん」