"死なないで"なんて、言わないで。





「おい。お前の名前は?」







「桜樹 茅菜」







「うぇ!あの桜樹財閥の!」








「そう。学校中有名でしょ?あの有名な一族が入ってきたって。それも美人」







「おい、それ自分で言うか?」










「えぇ、みんな影でそう言ってるもの。」











「桜樹財閥の娘だからって偉そうだな。頭にくる」









「へー。じゃぁさ、私と対決する?明日テストがあるからそれでいい点取った方が勝ち」








「望むところだ」












一校時目が終わり教室に向かう間の廊下でも私を噂する声が聞こえてくる。







可愛いね、あの子でしょ?、話しかけてみなよ。








もう聞きあきちゃった。







ここに居る皆もどうせ、肩書きだけ。









誰も自分自身を見てくれない。










少し頭にきて歩くスピードを上げると、後ろからはほかの女の子たちの声が聞こえてきた。










「高貴くんって、カッコイイよね」







「うん!頭もいいみたいだよ」







「えー、いいなー。お見合いの話とかこないかな」









「無理でしょ」










くだらない。


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